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2011年03月18日

誕生日と開けられずにいた封筒

その封筒は誕生日の翌日には届いていた。
送り主は、中学校の同窓生。
「誕生日には間に合わないかも」とメールは前もって頂いていた。

3月11日 午後。
大阪の母親に久しぶりに電話する。「たった今、凄い揺れて、それは怖かった」と聞かされたが、それがまさか東北沖地震だったとは!
そして、たまたま友人宅で見たテレビ映像に戦慄した。
今まさに起こっている大津波の映像をヘリは送り続けていた。次々と飲み込まれてゆく田畑、家、車、町さえも。狂ったように加速する黒い津波は、悪魔の使い手のように、何もかも飲み込んでいった…


3日後、あまりに過熱するTVに辟易し、苛立ち始めていた。
「自分は早く日常に戻ろう」 西宮に住む友人のブログにはそう綴られていた。
彼とは共に六甲山でキャンプ中、阪神大震災に遭った。
震災の次に起こるであろう人間の様々な「動き」が僕たち被災した者には解っていた。
それが津波による比較にならない甚大な被害だったとしてもだ。
遠くにいる僕たちは、今まだ何もできない。一人でも多く救ってあげてくださいと救助隊に願うしか。
そして僕も「日常」に戻ろうと決めた。南の島にいても、できることだけを考えながら。

52歳を迎えて、4日後にようやく大きな封筒を開けることができた。
目に飛び込んできたのは色鮮やかな大きなバースデーカードだった。
同窓生の娘さんが作ってくれたもので、色鉛筆やマーカーで彩られた暖かで素直な色使いに心癒された。
「担任の先生のバースデーカードより力入れて描いたのよ」とキャブションされていた。

彼女たちが暮らす埼玉も計画停電が始まっている。



誕生日と開けられずにいた封筒



Posted by ほんかー at 13:22│Comments(0)
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